栞の庭

ユキヒサです。岡山県出身。感想ブログ。

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小説『海賊とよばれた男(上)』感想。激動の時代を生きた男、国岡鐡造の半生を描く。

読みましたー。

あの『永遠の0』で有名な百田尚樹さんの第12作目。第10回本屋大賞を受賞していて、映画化もされた作品。出光興産創業者の出光佐三をモデルとした主人公・国岡鐡造の一生を描いた歴史経済小説です。読んだ感想ですが、鐡造さん、かっこいい...の一言に尽きます。

 

鐡造の経営する「国岡商店」(モデルは出光興産)は、出勤簿も定年もない異端の石油会社。国岡商店は、戦争で何もかもを失い、残ったのは借金だけ。さらに、国内の石油は国策会社である石油配給統制会社によって統制されており、嫌われていた国岡商店は石油を売ることもできない。そんなどん底の状態から再起を図る、という物語です。

まず鐡造がすごいのは、店員の一人もクビにしなかったことです。戦争で営業所も支店もすべて失い、資産はゼロ。それどころか莫大な借金も残っており、売る石油もない。普通の会社なら、人員整理があってもおかしくない。というより、しなければならない状態。しかし鐡造は、「もし国岡商店がつぶれるようなことがあれば、店員たちとともに乞食をする。」と言い放ちます。かっこいいですね。鐡造は絶対に信念を変えない、強い男なのです。そうして鐡造は、店員の一人も馘首することなく、国岡商店の再起を図ります。店員たちを食わせるために様々な事業にも取り掛かります。すべては国岡商店がもう一度、石油業界に復帰するために。

あと僕がすごいなーと思ったのは、鐡造は全て国のために行動するんですよね。国岡商店が旧海軍のタンク底の油を浚う作業に取り掛かったのも、GHQが日本に石油を廻すようにするためであり、決して商店の利益のためではない。第2章では鐡造の半生について語られるのですが、そこでも鐡造の日本を想っての行動がよく描かれています。いつの時代も、こういう人が日本を動かしてきたのでしょうね。

僕自身まだ下巻を読んでいないので、これから国岡商店がどのようにして成長していくのか、とても楽しみです。「七人の魔女」とは一体何なのか...気になります。あと、実はまだ「永遠の0」を読んだことがないので、これも読んだら感想を書こうと思います。

最後にどうでもいい話ですが、小説の登場人物って美男美女で脳内再生されがちですよね。僕の場合、鐡造はずっと阿部寛さんで読んでました。映画だと岡田准一さんが演じているらしいですが。映画も時間があれば観てみます。では。